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Writer/Maya 事務・CADオペレーター
「建築」や「モノづくり」の最前線に立ち、設計者の価値観に基づいた機能的及び情緒的な価値をお伝えできればと存じます。
「那加の平屋」廊下にプラスαの要素
現代の住宅では、限られた床面積を有効に使わなければならず、
壁に囲まれ通路としか使えない廊下は、きらわれ者。
それは、固定の壁が存在するからであり、先日述べたように壁を建具に変えたり、
廊下に別の用途をもたせることで、意外と存在価値は高まります。
「那加の平屋」でも、廊下にプラスαの要素を付加し、暮らしの幅をつくり出しました。
「那加の平屋」のご紹介、最後は「廊下」に着目したいと思います。
廊下は部屋と部屋を繋げるものですが、
「那加の平屋」では、WC洗面をopenにすることで廊下の存在を中和し、空間を曖昧に繋げています。
ご家族本位の視点から見ると、この曖昧さは、日々の暮らしにスムーズな流れを生み出すためのもの。
ご来客本位の視点から見ると、パウダーコーナーとしての機能も働く。
そのため、動線の一部ですが、唐突に洗面が現れないよう配慮しています。
内観のペールトーンに合わせた優しい設え。
コンパクトながら、タイルや真鍮などのマテリアルでよそゆきの表情をつくりだしています。
廊下があることで生活動線の流れがスムーズになり、暮らしの幅が広がった好例ではないでしょうか。
弊社のプランでは、本来の機能とは別に、プラスαの機能を積極的に盛り込んでおります。
暮らしの幅・・・侮れませんね。
以上、「那加の平屋」のご紹介でした。
建築主のY様には、ブログ閲読のお声かけをしていただき感激いたしました。
当ブログは、一見様に幅広くというよりは、
弊社にご興味を抱かれたご新規様や日頃ご愛顧いただいております顧客様に向けて発信しております。
今後、OB様の暮らしぶりなど色濃く発信出来たら・・・と存じておりますのでお時間がございましたら覗いてみてください。
なかなか実行できませんが・・・苦笑
「那加の平屋」職人の息遣いを感じる造作家具
なんでも急ぎ、速く精密にできることがいい時代。
住宅建築業界でもその波は顕著に現れており、建築ラッシュのエリアでは、弊社の工程の遅さがそれはもう一目瞭然です。
我々は時代の波に逆らっているように見えますが、その理由は主に三つあり、
一つ目は「長期施工によるコスト上昇を解消することができるから。」
二つ目は「現場ごとに納まりが異なっても部材の無駄を出さないことが可能だから。」
三つ目は「日本の伝統技術の腕をふるい、後世に伝えたいから。」
職人の手仕事は、納得いかないところと向き合いながら、執念でものづくりをするわけですからそれはそれは時間がかかります。
我々は、こういう仕事をしていますから、
職人の「わたしがつくったんだ。」という想いや後世にまで残したい想いもひとしお。
弊社にご依頼されるお客様も、そんな職人の息遣いに魅せられるのだと思います。
「那加の平屋」特徴4つ目は、そんな職人の息遣いを感じる造作家具に注目してみようと思います。
まずは、全物件で製作している浮遊型のテレビボード。
キャビネットは大工、扉は建具職人による木工品で、手仕事の域が凝縮された佇まいに心を奪われる方も多いのではないでしょうか。
その機能は、建具金物でがたつきを調整しているためスムーズに上下開閉することができ、
開ききると開口部が全てみえるため、収納力が抜群であることが特徴です。
最も気を遣う納まりはお見せしかねますが、この手仕事の域が間宮建築の持ち味。
伝統技術が、現代の日常に当たり前のように溶け込む様をみていると、これが我々がなすべきことだと秘かに思います。
続きまして、キッチンの擁壁キャビネット及びバックカウンター。
弊社の造作は、エッジの効いた造形と、とことん無駄を省いたミニマルルックが特徴です。
使い勝手を考え、日常に溶け込み、末永く付き合っていただこうと思うと、結局シンプルなお品に辿り着きます。
下の画像は、よう壁天板目違い修正の一コマ。
些細な目違いはカンナで調整し、高い精度でお引渡しいたします。
あ、そうそう。
最後に・・・パカッ。
こちらの家では、背面収納、キッチン脇の大きな収納庫の他、よう壁収納を計画しました。
機能がそのまま造作デザインに反映された好例なのですが・・・よう壁収納のパカッ・・・忘れました。苦笑
多くの方が魅せられる造作家具ですが、ただオシャレだから、なんとなく木の方が健康そうだから、
という理由で造作家具を使用すると後悔されるかもしれません。
なぜなら、理由は二つあり・・・
一つ目は「規格による機械加工の方が、強度や精度など勝る点が多くあるから。」
二つ目は「規格による機械加工の方が、ローメンテナンスだから。」
実際、高気密高断熱のもと、常時エアコンを使用することで乾燥が進み、無垢テーブルの割れが発生したのは記憶に新しいところ。
我々も家ごとに実験を行っているわけではないので、この家の環境下ではこうすれば大丈夫と明言できないことが歯がゆいのですが、
無垢材と付き合う住まい手の皆様も、木の性質をご理解いただき、愛着を感じ、お手入れがなされることを願っております。
我々は、煎じて煎じて上質のお品を製作することをお約束いたしますから、
皆様は、永く木の道具を使うために、木の性質のご理解とお手入れをよろしくお願いいたします。
「那加の平屋」しなやかなReluxing Living
続きまして、リビングのご紹介です。
こちらの家で目指したのは、ほどよい緊張感のあるスタイリッシュさではなく、
心と身体を自然に緩和する「Reluxing Living」。
そのため、木質感、清潔感、静穏感、そして光、風、視線の抜け感を意識して構成しております。
天井、壁、無垢フローリング、造作家具など内装の大部分を占めるペールトーンは、クリアでしなやかな印象。
ここで副交感神経の測定は困難ですが、これらの要素が、心身を自然に整えるキーになると考えています。
このクリアさ、しなやかさ・・・女性的な面を感じるからでしょうか。
フロアに身を置くと、ショパンのノクターン2番が思い浮かびます。
今回は、ノクターンの優しいリズムにのって撮影。
楽しいひと時でした。
また、リビングの片隅にはピアノコーナーが。
向かって左側の窪み部分です。
現物が置かれていないのでわかりづらいですね。
お稽古でピアノを習っていらっしゃるお子様も多いのですが、
ピアノ置き場は、今のところ全ご家庭の方が子供部屋ではなくリビングの一角。
その思惑は、お子様がすぐにピアノと向き合えるように。
ピアノお稽古は、実は孤独で努力がかかせない習い事。
ある程度上達すると必ず壁にぶつかるため、心の負担を減らすためにもやはりリビングが妥当ではないでしょうか。
上達された暁には、ショパンのノクターン2番を是非。
このフロアが最高の舞台になりますね。
お子様のピアノの生演奏を聴きながら、Relux・・・
わたくしも秘かに夢見ています。
今は、ミスタッチや気になるところが多すぎてReluxできませんが。苦笑
以上、ReluxingLivingのご紹介でした。
「那加の平屋」仕切る、繋ぐをコントロール
本日より再び「那加の平屋」の特徴をお伝えしたいと思います。
今回のテーマは「引き戸」。
新居へ引っ越す前は、多くの方がアパート暮らしですよね。
新居での生活は、アパートより流動的で、日々のルーティンは作業の連続として営まれます。
そんな流動的な暮らしに寄り添うことができるのが「引き戸」です。
このブログでも、幾度となく引き戸について書いておりますが、
この家では、子供部屋とWC以外の建具は全て引き戸で設えているため、再びその仕切りに着目してみようと思います。
まず、お馴染みの木製玄関戸を開けますと、玄関とLDKを仕切る「片引き戸」がお目見え。
玄関ホールの引き戸は、外出や来客の有無によって開閉をコントロールしたり、スライドで開閉しやすいことがメリット。
玄関と隣接LDKの間取りですので、建具は、不用意に覗くことができないよう磨りガラス仕様としています。
この家では、来客用の玄関として設えていますので、専ら仕切る機能として役立ちそうです。
続きまして、ユーティリティ及び水回りへと続く動線上の「片引き戸」。
作業の連続が特に予想されるこのエリアは、これらの引き戸が重宝されることでしょう。
作業中、扉の開閉に不便が生じると気になってしまうもの。
仕切りが不要な時は、サッとスライド。
建具は、本来、出入口の開閉のための道具ですが、壁と見立てることで作業の連続性を妨げません。
また、これらの片引き戸は、全て大工、建具職人による特注品。
上吊りタイプの半自動タイプの引き戸で、引いた時の衝撃を和らげ、スムーズな開閉をアシストするソフトクローズ仕様としています。
そして、引き戸の花形?と言えば、こちらの「三本引き込み戸」。
大開口が可能な戸の開閉によって、仕切る、繋ぐを用途に合わせてコントロール。
仕切られた和室も、目の前の建具が姿を消すとパブリックな場に変貌。
建具の開閉による変化によって、和室の使い勝手を実感していただけると思います。
暮らしを繋げるように場を仕切る。
今後も、日本建築の知恵や工夫を、積極的に現代に応用していきます。
「那加の平屋」町との距離感
本日より、各務原市で建築いたしました「那加の平屋」の特徴をお伝えしたいと思います。
こちらの建築地は、同時期に建築していた「藤倉の薪ストーブのある平屋」とは対照的に、
家が建ち並ぶ住宅地の一画で、駅が近いため前面道路の交通量も割と多い立地。
プライバシーに対する配慮や防犯意識の向上が望ましいのは一目瞭然ですが、
住宅地の場合であっても、弊社の設計では、町に対し「閉じすぎない佇まい」を意識しております。
毎回、建物と同時に敷地の隅から隅まで設計おりますが、
今回のポイントは、「町と緩やかに繋がる佇まい」です。
駐車におきましては、96坪の敷地に、自家用車2台分の造作ガレージと来客用2台分の駐車スペースをキープ。
弊社では、換気、採光、防水、コストバランスから、OPENガレージを積極的に計画しておりますが、
ガレージの大きな開口は、町に対し開けた印象も与えてくれます。
対しまして、こちらの擁壁。
住宅地では、高い塀で敷地をぐるりと囲い、その中で開放的に暮らすことも有りなのですが、
弊社の設計では、閉じる場合も抜けをつくってより自然に風や光を招き入れたり、
やんわりシャットアウトして町との距離を推しはかっています。
ベールに包まれた建築もとても素敵なのですが、間宮建築は、やはり抜けを重視。
どこまでOPENにするのか家ごとに調節して、町への圧迫感に配慮していく所存です。
「那加の平屋」お引渡し時の儀礼
先週のとある日。
「那加の平屋」が竣工し、無事お引渡しをさせていただきました。
そこで、今回は、儀礼の様子をピックアップ。
昔から続く伝統的なならわしとして、木造軸組では、地鎮祭と上棟式の二度、神様にご挨拶をする機会があります。
これは、地を慎め、工事の安全、家の繁栄、ご守護などを祈願するもので、
信仰心が薄れた現代でも、建築現場では、持統天皇の時代から続く古式の神祭りが行われています。
地鎮祭は、お客様の宗教観に合わせた儀式を執り行っておりますが、
上棟時の儀礼は、断熱材の特性上、執り行っておりません。
そのため、弊社では、竣工時に棟札など一式を小屋裏に納めさせていただきます。
今回も、専務が必要なお品をかごに入れ、
家の守り神様として大切に納めさせていただきました。
因みに、飾り物一式は弊社がご用意いたします。
その後は、窓や設備機器のご説明をさせていただき、
本キーや取説、図面一式などをお渡しいたします。
近年設備機器のハイテク化が進み、様々な便利機能が盛りだくさん。
現場でのご説明は簡潔なので、お忙しいとは思いますが取説を熟読して使いこなしてくださいね。
以上、お引き渡しの様子でした。
後日、画像処理が終わりましたら、この家の特徴をお伝えしたいと思います。
乞うご期待。
「那加の平屋」ローメンテナンスの外構づくり
先日、投稿しました記事に誤りがあったので訂正いたします。
申し訳ございません。
外構工事、着工しました。
目隠し擁壁は、コンクリートブロックではなく塗り壁仕上げ。
現在、下地となるコンクリートブロックの養生中です。
プライベートな中庭は芝張りの予定です。
十分な広さを確保。
因みに、建物本体の黒い線は電線等の影です。
そして、奥行きの深いアプローチ。
玄関戸が見えないことを利用して自然と奥へ引き込まれる感じに。
植栽で彩る予定です。
弊社は、外構も専務が設計しております。
お客様のニーズと無垢材のメンテナンスを優先していただきたいことを考慮して
ローメンテナンスに徹したシンプル外構が多いです。
特に、植栽は少しずつ成長しますし病害虫も懸念されます。
専務とよく話し合ってください。
因みに、当事務所の植栽はほったらかし。
ポーチに侵入してきたソヨゴや棒石のコケや変色もシャビーな雰囲気が出るので放置です。
自然素材の家は、時を経た方が楽しい。
「那加の平屋」住宅地にたたずむ家の外装
建物の外装が終了し、これから外構工事の「那加の平屋」です。
こちらの家は、駅や大型商業施設が近い住宅地に存在します。
ご覧いただきたいのは、田園風景や山あいの無垢材に溢れた外装との対比。
周辺環境や暮らし方を汲み取り設計しています。
「那加の平屋」驚きの環境整備
今年最後の現場レポは「那加の平屋」です。
木工事が完了し、夜な夜な気になる部分を簡易チェック。
問題ございません。
それにしても・・・
ここの現場でいつも話題に上がるのがこの環境整備。
通常、木工事の際は、細かい木屑や廃棄物が大量に発生するのですが、
この現場の協力会社さんは「毎度、僕(専務)以上。このまま引き渡せるレベル。」の綺麗さを維持してくれています。
仕事をしやすく環境を整え、道具や材料を取り出しやすく備えることは、安全や安心に繋がります。
現場の安全に対する取り組みは、我が社が更に向上できる点でありました。
年内は、ちょうど区切りがついた木工事で終了。
年明けからクロス工事にバトンタッチです。
来年もよろしくお願いいたします。
「那加の平屋」木工事と断熱材
住宅密集地でも空が映える那加の現場です。
現場は、只今、木工事の真っ最中で各所に無垢フローリングがスタンバイ。
いつもお世話になっている大工さんに、これらを手作業ではってもらっています。
納まりがきれいに仕上がるように、柱の寸法に合わせて正確に形成し、一枚一枚敷き詰めていきます。
仕上がった部分は、その後の作業で傷がつかないようにしっかりと養生をします。
いつも整理整頓された綺麗な現場を心がけていただきありがとうございます。
室内は、弊社が採用しているウレタン吹付断熱で覆われもこもこ状態。
この断熱材は、発砲スチロールのような軽い素材で、接着性と気密性が高く性能に優れた断熱材です。
シックハウスの心配もありません。
左から、壁、天井、浴室。
室内の熱は、冬は外に逃げ、夏は入ってきますので、このもこもこが非常に重要な役目を果たします。
魔法瓶のように隙間なく建物全体を覆い、温度差の少ない快適な室内環境を保ってくれます。
断熱材だけこだわっても真価は発揮できませんが、熱を通しやすい開口部や日射熱など様々ことをを考慮し性能をあげています。
いつもにこやかに話しかけてくださる大工さん。
又、次回、現場に行くことを楽しみにしています。