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「那加の平屋」職人の息遣いを感じる造作家具
なんでも急ぎ、速く精密にできることがいい時代。
住宅建築業界でもその波は顕著に現れており、建築ラッシュのエリアでは、弊社の工程の遅さがそれはもう一目瞭然です。
我々は時代の波に逆らっているように見えますが、その理由は主に三つあり、
一つ目は「長期施工によるコスト上昇を解消することができるから。」
二つ目は「現場ごとに納まりが異なっても部材の無駄を出さないことが可能だから。」
三つ目は「日本の伝統技術の腕をふるい、後世に伝えたいから。」
職人の手仕事は、納得いかないところと向き合いながら、執念でものづくりをするわけですからそれはそれは時間がかかります。
我々は、こういう仕事をしていますから、
職人の「わたしがつくったんだ。」という想いや後世にまで残したい想いもひとしお。
弊社にご依頼されるお客様も、そんな職人の息遣いに魅せられるのだと思います。
「那加の平屋」特徴4つ目は、そんな職人の息遣いを感じる造作家具に注目してみようと思います。
まずは、全物件で製作している浮遊型のテレビボード。
キャビネットは大工、扉は建具職人による木工品で、手仕事の域が凝縮された佇まいに心を奪われる方も多いのではないでしょうか。
その機能は、建具金物でがたつきを調整しているためスムーズに上下開閉することができ、
開ききると開口部が全てみえるため、収納力が抜群であることが特徴です。
最も気を遣う納まりはお見せしかねますが、この手仕事の域が間宮建築の持ち味。
伝統技術が、現代の日常に当たり前のように溶け込む様をみていると、これが我々がなすべきことだと秘かに思います。
続きまして、キッチンの擁壁キャビネット及びバックカウンター。
弊社の造作は、エッジの効いた造形と、とことん無駄を省いたミニマルルックが特徴です。
使い勝手を考え、日常に溶け込み、末永く付き合っていただこうと思うと、結局シンプルなお品に辿り着きます。
下の画像は、よう壁天板目違い修正の一コマ。
些細な目違いはカンナで調整し、高い精度でお引渡しいたします。
あ、そうそう。
最後に・・・パカッ。
こちらの家では、背面収納、キッチン脇の大きな収納庫の他、よう壁収納を計画しました。
機能がそのまま造作デザインに反映された好例なのですが・・・よう壁収納のパカッ・・・忘れました。苦笑
多くの方が魅せられる造作家具ですが、ただオシャレだから、なんとなく木の方が健康そうだから、
という理由で造作家具を使用すると後悔されるかもしれません。
なぜなら、理由は二つあり・・・
一つ目は「規格による機械加工の方が、強度や精度など勝る点が多くあるから。」
二つ目は「規格による機械加工の方が、ローメンテナンスだから。」
実際、高気密高断熱のもと、常時エアコンを使用することで乾燥が進み、無垢テーブルの割れが発生したのは記憶に新しいところ。
我々も家ごとに実験を行っているわけではないので、この家の環境下ではこうすれば大丈夫と明言できないことが歯がゆいのですが、
無垢材と付き合う住まい手の皆様も、木の性質をご理解いただき、愛着を感じ、お手入れがなされることを願っております。
我々は、煎じて煎じて上質のお品を製作することをお約束いたしますから、
皆様は、永く木の道具を使うために、木の性質のご理解とお手入れをよろしくお願いいたします。