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Writer/Maya 事務・CADオペレーター
「建築」や「モノづくり」の最前線に立ち、設計者の価値観に基づいた機能的及び情緒的な価値をお伝えできればと存じます。

「則竹の家」悶々と・・・

リビングイン階段の納まりを考え中のひとコマ。

専務、全く動きません。
難しい顔・・・この表情の時、話しかけてはいけません。

聞きたいことがあるのですが・・・(苦笑)

「建築日誌」長源寺様 木工品製作過程

とある日の自社工場。
社長と専務が肩を並べてなにやら製作中。

それぞれ別物件のお品を製作しているのですが、
本日は、こちら・・・社長の製作風景をクローズアップしたいと思います。

社長が製作中のお品は「ずし」と呼ばれる観音様を祀る箱で、
長源寺様公衆トイレポーチに安置する予定のもの。

納得いくまで微調整。

 

手前には、次に製作予定の階段の木板が。
わたくしの予想より遥かに大きい。
画像右は、施工図です。

 

効率良く図面が描けるcadが普及している現代ですが、
現場レベルの施工図は、ドラフターと呼ばれる製図台を使うことも。
この手描き技能は、現場でも効力を発揮します。

現場では、その場で納まりを説明することも多々あるため、手描きで展開図や断面図を描けるスキルがないと困ります。
必要に応じて即座にフリーハンドでスケッチ。
cadに頼り過ぎていてもだめなのです。

「則武の家」間宮建築流ダイナミズム

「則武の家」。
上部FIXの縦連窓が出現しております。

開口部がダイナミックなファザードですが、得意気に佇むのはナンセンス。

 

様々な工夫で「静」の表情を創り出し、ダイナミズムを抑えます。
これぞ間宮建築流。

弊社初の試みでもある縦連窓。
光や視線の良い流れをつくってくれることでしょう。

「粟野の長期優良住宅」ラストスパートの1週間

竣工まで残り1週間をきりました「粟野の長期優良住宅」。
実は、竣工前のこの1週間は、専務もわたくしも中々のハードスケジュール。
別物件との兼ね合いもあるので、段取り命です。

さて、本日は竣工撮影の前に要所要所の雰囲気をどうぞ。

外観は、外構工事が完了し全貌が明らかになりました。

無垢の木の香りをご近所様にお裾分けするかのような佇まい。
後々特徴として取り上げたいと思います。

こちらは、自然を身近に感じるエントランス付近。

弊社の植栽の考え方も後々。

続きまして、「お品の良さ」を設えた玄関。

玄関の機能とは別に、感情をくすぐるような情緒価値が欲しい場です。
こちらも後々。

内観は・・・
1週間をきっておりますが・・・

ギリギリまで工事は続きます。

「那加の平屋」廊下にプラスαの要素

現代の住宅では、限られた床面積を有効に使わなければならず、
壁に囲まれ通路としか使えない廊下は、きらわれ者。

それは、固定の壁が存在するからであり、先日述べたように壁を建具に変えたり、
廊下に別の用途をもたせることで、意外と存在価値は高まります。
「那加の平屋」でも、廊下にプラスαの要素を付加し、暮らしの幅をつくり出しました。

「那加の平屋」のご紹介、最後は「廊下」に着目したいと思います。

廊下は部屋と部屋を繋げるものですが、
「那加の平屋」では、WC洗面をopenにすることで廊下の存在を中和し、空間を曖昧に繋げています。
ご家族本位の視点から見ると、この曖昧さは、日々の暮らしにスムーズな流れを生み出すためのもの。

ご来客本位の視点から見ると、パウダーコーナーとしての機能も働く。
そのため、動線の一部ですが、唐突に洗面が現れないよう配慮しています。

 

内観のペールトーンに合わせた優しい設え。
コンパクトながら、タイルや真鍮などのマテリアルでよそゆきの表情をつくりだしています。

廊下があることで生活動線の流れがスムーズになり、暮らしの幅が広がった好例ではないでしょうか。
弊社のプランでは、本来の機能とは別に、プラスαの機能を積極的に盛り込んでおります。
暮らしの幅・・・侮れませんね。

以上、「那加の平屋」のご紹介でした。

建築主のY様には、ブログ閲読のお声かけをしていただき感激いたしました。
当ブログは、一見様に幅広くというよりは、
弊社にご興味を抱かれたご新規様や日頃ご愛顧いただいております顧客様に向けて発信しております。

今後、OB様の暮らしぶりなど色濃く発信出来たら・・・と存じておりますのでお時間がございましたら覗いてみてください。
なかなか実行できませんが・・・苦笑

「那加の平屋」職人の息遣いを感じる造作家具

なんでも急ぎ、速く精密にできることがいい時代。
住宅建築業界でもその波は顕著に現れており、建築ラッシュのエリアでは、弊社の工程の遅さがそれはもう一目瞭然です。

我々は時代の波に逆らっているように見えますが、その理由は主に三つあり、
一つ目は「長期施工によるコスト上昇を解消することができるから。」
二つ目は「現場ごとに納まりが異なっても部材の無駄を出さないことが可能だから。」
三つ目は「日本の伝統技術の腕をふるい、後世に伝えたいから。」

職人の手仕事は、納得いかないところと向き合いながら、執念でものづくりをするわけですからそれはそれは時間がかかります。
我々は、こういう仕事をしていますから、
職人の「わたしがつくったんだ。」という想いや後世にまで残したい想いもひとしお。
弊社にご依頼されるお客様も、そんな職人の息遣いに魅せられるのだと思います。

「那加の平屋」特徴4つ目は、そんな職人の息遣いを感じる造作家具に注目してみようと思います。

まずは、全物件で製作している浮遊型のテレビボード。
キャビネットは大工、扉は建具職人による木工品で、手仕事の域が凝縮された佇まいに心を奪われる方も多いのではないでしょうか。

 

その機能は、建具金物でがたつきを調整しているためスムーズに上下開閉することができ、
開ききると開口部が全てみえるため、収納力が抜群であることが特徴です。

最も気を遣う納まりはお見せしかねますが、この手仕事の域が間宮建築の持ち味。
伝統技術が、現代の日常に当たり前のように溶け込む様をみていると、これが我々がなすべきことだと秘かに思います。

続きまして、キッチンの擁壁キャビネット及びバックカウンター。
弊社の造作は、エッジの効いた造形と、とことん無駄を省いたミニマルルックが特徴です。

使い勝手を考え、日常に溶け込み、末永く付き合っていただこうと思うと、結局シンプルなお品に辿り着きます。

 

下の画像は、よう壁天板目違い修正の一コマ。
些細な目違いはカンナで調整し、高い精度でお引渡しいたします。

 

あ、そうそう。
最後に・・・パカッ。

こちらの家では、背面収納、キッチン脇の大きな収納庫の他、よう壁収納を計画しました。
機能がそのまま造作デザインに反映された好例なのですが・・・よう壁収納のパカッ・・・忘れました。苦笑

多くの方が魅せられる造作家具ですが、ただオシャレだから、なんとなく木の方が健康そうだから、
という理由で造作家具を使用すると後悔されるかもしれません。
なぜなら、理由は二つあり・・・
一つ目は「規格による機械加工の方が、強度や精度など勝る点が多くあるから。」
二つ目は「規格による機械加工の方が、ローメンテナンスだから。」

実際、高気密高断熱のもと、常時エアコンを使用することで乾燥が進み、無垢テーブルの割れが発生したのは記憶に新しいところ。
我々も家ごとに実験を行っているわけではないので、この家の環境下ではこうすれば大丈夫と明言できないことが歯がゆいのですが、
無垢材と付き合う住まい手の皆様も、木の性質をご理解いただき、愛着を感じ、お手入れがなされることを願っております。

我々は、煎じて煎じて上質のお品を製作することをお約束いたしますから、
皆様は、永く木の道具を使うために、木の性質のご理解とお手入れをよろしくお願いいたします。

「那加の平屋」しなやかなReluxing Living

続きまして、リビングのご紹介です。

こちらの家で目指したのは、ほどよい緊張感のあるスタイリッシュさではなく、
心と身体を自然に緩和する「Reluxing Living」。
そのため、木質感、清潔感、静穏感、そして光、風、視線の抜け感を意識して構成しております。

天井、壁、無垢フローリング、造作家具など内装の大部分を占めるペールトーンは、クリアでしなやかな印象。
ここで副交感神経の測定は困難ですが、これらの要素が、心身を自然に整えるキーになると考えています。

このクリアさ、しなやかさ・・・女性的な面を感じるからでしょうか。
フロアに身を置くと、ショパンのノクターン2番が思い浮かびます。
今回は、ノクターンの優しいリズムにのって撮影。
楽しいひと時でした。

また、リビングの片隅にはピアノコーナーが。
向かって左側の窪み部分です。

現物が置かれていないのでわかりづらいですね。

お稽古でピアノを習っていらっしゃるお子様も多いのですが、
ピアノ置き場は、今のところ全ご家庭の方が子供部屋ではなくリビングの一角。

その思惑は、お子様がすぐにピアノと向き合えるように。
ピアノお稽古は、実は孤独で努力がかかせない習い事。
ある程度上達すると必ず壁にぶつかるため、心の負担を減らすためにもやはりリビングが妥当ではないでしょうか。

上達された暁には、ショパンのノクターン2番を是非。
このフロアが最高の舞台になりますね。

お子様のピアノの生演奏を聴きながら、Relux・・・
わたくしも秘かに夢見ています。
今は、ミスタッチや気になるところが多すぎてReluxできませんが。苦笑

以上、ReluxingLivingのご紹介でした。

「那加の平屋」仕切る、繋ぐをコントロール

本日より再び「那加の平屋」の特徴をお伝えしたいと思います。
今回のテーマは「引き戸」。

新居へ引っ越す前は、多くの方がアパート暮らしですよね。
新居での生活は、アパートより流動的で、日々のルーティンは作業の連続として営まれます。

そんな流動的な暮らしに寄り添うことができるのが「引き戸」です。
このブログでも、幾度となく引き戸について書いておりますが、
この家では、子供部屋とWC以外の建具は全て引き戸で設えているため、再びその仕切りに着目してみようと思います。

まず、お馴染みの木製玄関戸を開けますと、玄関とLDKを仕切る「片引き戸」がお目見え。

 

玄関ホールの引き戸は、外出や来客の有無によって開閉をコントロールしたり、スライドで開閉しやすいことがメリット。
玄関と隣接LDKの間取りですので、建具は、不用意に覗くことができないよう磨りガラス仕様としています。

この家では、来客用の玄関として設えていますので、専ら仕切る機能として役立ちそうです。

続きまして、ユーティリティ及び水回りへと続く動線上の「片引き戸」。

 

作業の連続が特に予想されるこのエリアは、これらの引き戸が重宝されることでしょう。
作業中、扉の開閉に不便が生じると気になってしまうもの。

 

仕切りが不要な時は、サッとスライド。
建具は、本来、出入口の開閉のための道具ですが、壁と見立てることで作業の連続性を妨げません。

また、これらの片引き戸は、全て大工、建具職人による特注品。
上吊りタイプの半自動タイプの引き戸で、引いた時の衝撃を和らげ、スムーズな開閉をアシストするソフトクローズ仕様としています。

そして、引き戸の花形?と言えば、こちらの「三本引き込み戸」。

大開口が可能な戸の開閉によって、仕切る、繋ぐを用途に合わせてコントロール。
仕切られた和室も、目の前の建具が姿を消すとパブリックな場に変貌。
建具の開閉による変化によって、和室の使い勝手を実感していただけると思います。

暮らしを繋げるように場を仕切る。
今後も、日本建築の知恵や工夫を、積極的に現代に応用していきます。

「建築日誌」皆様の外壁下地

をつくっている時の一コマ。

木材の加工におきまして、軸組こそプレカット工場に頼るわが社ですが、
下地材や内外装、窓枠や巾木、造作家具、その他モロモロ・・・は、我々が自社工場でつくっております。

軸組以外も安定性の高い高精度の材料づくりが求められるのは言わずもがな。
今回は、その様子をどうぞ。

 

木材の表裏を切削し、ヒノキの平面を滑らかに厚みを均一に。

 

丸ノコ台で部位毎の寸法に合わせカット。
1時間半ほどで終了。

 

ワタクシもいい汗かきました。
事務所にシャワー室が必要です。笑

そもそも大工職人の数が減っているため、プレカットなしで木造建築を進めることは(少なくとも我が社は)不可能。
また、工場生産の割合が大きい住宅は、品質が一定で工期が短縮できるのも確か。

しかし、手仕事で伝統技術を培ってきた棟梁(社長・専務)からすると、
「機械が進化を遂げプレハブ化が進んでも、自分で納得いかないといころを感じ取りながら丹念にものづくりをしたい」
という想いが勝るのです。
人や伝統建築の在り方を想うと、できる限り自分たちの手でつくりたい。

従って「家の質が決まるのは我々次第」。
少々手前味噌で恐縮ですが、これまで弊社の棟梁たちは、社会から信頼される確かな仕事をしてきたとのこと。
これからも、新しい技術や新建材の知識を学びながら腕を振るいたい所存です。

「川合の家」基礎工事中です

新しい現場です。

場所は、美濃加茂市川合町。
お隣に飛騨川が悠々と流れる立地なのですが・・・

背丈まで伸びる蔓草が視界を遮っておりますね・・・。
この草は、堤防の土留めの役割を担っているのでいたしかたない。

しかし、川合町といえども幹線道路から少し離れ、
川の方から鳥や虫たちの鳴き声が聞こえてくるため、心で自然を感じることができる場所です。

さて、現場は、現在基礎工事中。

 

そのシルエットからシンプルな長方形型であることがわかりますが、
立体として立ち上がると、一部低層の二階建てになる予定です。

又、敷地も面白くこれまでにないL型。

敷地に合わせた外構も計画しています。
家づくりは、事情がないかぎり同じ設計者が隅から隅まで。
外構も合わせて一つの建築と考えています。

上棟までいましばらくお待ちくださいませ。