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Writer/Maya 事務・CADオペレーター
「建築」や「モノづくり」の最前線に立ち、設計者の価値観に基づいた機能的及び情緒的な価値をお伝えできればと存じます。
「建築日誌」事務所パンク
7、8年前に、家の古い離れをリノベーションした弊社事務所。
この度、書類や図面の増加により事務室が窮屈になったため、
お隣の部屋との間仕切りを無くし、事務室を広くする運びとなりました。
迫りくる書類群。
因みに、もう一ヶ所の壁面からも大群が迫ってきます。苦笑
こちらがお隣の部屋。
この部屋は、元々専務の部屋だったのですが、現在は冷蔵庫を置いたり食品庫として使用しておりました。
左は解体、右はフローリング下地を整えたところです。
六畳一間の一般的な子供部屋のつくりですが、建具が渋い味を出しています。
今は亡き建具職人による木製擦りガラス戸。
約30年前の代物で、丁寧に組み込まれた装飾がお見事です。
今まで我々のために働き続けてきた健気な存在で、経年による傷やガラガラ音など全てが愛おしい。
また、この建具から想うこと。
無垢の木の傷や経年変化を味わいと捉え、調子が悪くなったらメンテナンスをし、愛着を感じていただく。
間宮建築の造作の目指すところでもあります。
加えて、子へ孫へ受け継いでいただけたら申し分ないのですが、
時代や暮らしの変化によるニーズによりこの願いを叶えることは中々難しいのが現状。
この建具も、今回のリノベーションのニーズに合わないため引退いたしますが、
我々は、今後も、世代を超え受け継いでいただくことを前提としてモノヅクリに励む次第です。
今回のリノベは簡単な工事ですが、
せっかくなので小規模のリノベーション事例として記録していきますね。
「稲辺の平屋Ⅱ」ニューベーシック
現場は、玄関ポーチ階段のレベル調整や基礎巾木のモルタル化粧の段階です。
今回は、1月にお伝えした外壁塗装が完了しているのでその様子をどうぞ。
お色味は、グレーとベージュが混ざったような中間色で、弊社のシンプルな建築や景観と極めて相性が良い。
弊社においては、時代の潮流の一つではなくニューベーシックと言えるのではないでしょうか。
外壁をアップで。
このザラザラした骨材が、陰影を深め素材感を強めてくれます。
遠方に見える稲辺の平屋ベーシックと稲辺の平屋Ⅱのニューベーシック。
加茂野の豊かな大地に馴染み、地に足のついた暮らしをとの想いを込めて。
近年、SNSの投稿から建主の間で話題となりトレンドとして反映されるケースが目立ちます。
「グレージュ」もその一つではないでしょうか。
我々もSNSにアンテナを張っておりますが、弊社ではいかなるトレンドも短期的な意味で捉えず、
あくまでどのような暮らしができるのかに重点を置いていきます。
「建築日誌」長源寺様木造公衆トイレ
2021年8月竣工「長源寺様公衆トイレ」。
社長が設計・施工管理を担当しました在来工法による木造建築です。
公衆トイレは、利用者数、予算などから一般トイレとし、本堂、境内、駐車場からアクセス可能で、
訪問者が心地良く利用できるようバリアフリー化に努めています。
外観は、耐朽性に優れるヒノキを使用。
これは、将来、経年変色した際、周囲の建築物に寄り添って欲しい想いを込めています。
また、境内の建築物に合わせ真壁工法を取り入れ、本堂の格式と遜色のない意匠を意識しています。
また、内外部共に段差、手摺、清掃のし易さに拘り、利用上の便を考慮。
特に、社長自ら製作したささらげた階段は、お年寄りやお子様の利便を考慮し、通常より低い蹴上げとしています。
内部は当初、男女共用で、設備的にも古く老朽化がみられましたが、利便、安全、衛生面の視点から快適性を改善し、
自然光を大きく取り入れながらも、ヒノキの艶と香りを感じられる落ち着いた雰囲気に仕上げています。
是非、美しい木肌をご堪能ください。
社長曰く、今後もこうやって、近年の技術進歩を加味しながらも施工の原点に立ち返る建築を残していきたい。
今後もご依頼があれば、目的に応じた建築環境を整えていきたいとのことです。
「鵜沼の平屋」できることは自社で
とある日の自社工場。
木工事のための下準備中です。
こちらは、軒天井に使用するための羽目板に木材保護塗料を塗布している一コマ。
木工事以外でも技量に左右されない工程は、出来るだけ自社で行いコストの調整をしています。
ひたすら塗り塗り。
このまま風を通しながら乾燥させ現場へ運びます。
軒天集。
軒天のみならず、外部に使用する塗料は、木材害虫、カビなどの外敵から木材を保護する対候性顔料で、
上塗りにも適したものを使用しています。
また、メーカーの性能試験により、高い防虫、防カビ、耐候性能結果を得られています。
お次は、木工事のための材料づくり。
工場での作業が続きます。
「土田の平屋」基礎工事着工
先週末の土田。
基礎工事が着工しています。
現場は、地面からの湿気を防ぐ防湿シートの上に鉄筋を組んでいるところです。
この日は、とある要件を確認。
この後、配筋検査を経てコンクリート打設へと進みます。
基礎工事の次は土台伏せ、その後上棟。
複数の現場を同時に抱える状況が何年も続いているため、日々段取りとの戦い。
しかし、管理は抜かりなく。
わたくしもどこへでも飛びます。
「稲辺の平屋Ⅱ」トレンドと伝統
わたくしは最近、加齢による代謝の低下や筋力不足が気になるため日々ウォーキングに励んでおります。
そのため、近隣の現場は徒歩で。
加茂野の田園風景は美しいですね。
大地の豊かさと四季を感じながらのウォーキング。
それはもう最高です。
そして、この包み込んでくれそうな大地の先で建築中であるのがこちら。
ちょうどクロスを貼り終わったところです。
カラーは、外壁と同じくニュアンスカラーで統一。
明瞭な白よりこなれた印象です。
壁紙がトレンドならば造作品は伝統。
弊社では、今後も時代を察したトレンド性と安定感のある伝統性の兼ね合いが大きなテーマとなりそうです。
「鵜沼の平屋」上棟おめでとうございます
昨日、「鵜沼の平屋」が無事上棟いたしました。
先週末は寒気がつのり雪に見舞われましたが、今週は穏やかな好天で何より。
17時には現場が片付き職人も撤退。
静かな夕暮れの中、垂木の先端部を隠す鼻隠しがノスタルジックに映っておりました。
この日はちょうどお施主様ご夫妻と豆しばちゃんに遭遇。
喜びと期待に溢れた笑顔が印象的でした。
我々にはご家族の命や健康をお守りする使命があり、常にその責任の重みを感じております。
一歩一歩適切に駒を進められるよう現場でも切磋琢磨する次第です。
今後ともよろしくお願いいたします。
それでは、K様、上棟おめでとうございました。
また現場でお会いしましたら豆しばちゃんのお話を聞かせてください。
佇まい、可愛過ぎ。
御嵩の平屋
「稲辺の建替」自然に対して感謝
弊社のお隣の現場です。
この日は井戸の埋め戻しを行いましたのでその様子を少し。
地鎮祭で祈祷した後、井戸の穴を川砂利で埋め戻します。
深さは5mほどでしょうか。
川砂利を投入。
井戸に入れた竹は、息抜きと言って、我々の地域では井戸に宿る神様が呼吸をするためのもの。
竹が枯れるまでこのままの状態で置いておきます。
井戸に神様が宿る考えやこういった儀式や祈祷が生まれた背景には、
安全で良質の水を求める昔の人々の想いがありました。
我々は、それだけ井戸は貴重な水資源であり神聖な場所であったことを理解し、
自然に対して感謝の気持ちを表していきたいですね。
奥様もお寒い中見守りをありがとうございました。
工事が始まりましたらまたレポしたいと思います。
「御嵩の平屋」リビングの先
「御嵩の平屋」最後の特徴として「木製テラス」をご紹介したいと思います。
この家では、窓辺に水平に広がる低い軒に沿い床高と同じレベルのテラスを設え、
箱のようなリビングに奥行きを生み出す仕掛けを施しています。
幅2,600mm高さ2,400の開口の先にテラス。
その先は視界が開け、さらにその先には木々が生い茂る山々の景色。
外部環境に「何か」があるからテラスを設えたくなります。
しかし、現在は南面に二階建て住宅が新築されており、視線が遠くまで抜けるのはごく僅かでしょう。
それでも御嵩の大きな自然を敷地内へ繋げるように周辺環境との関係を整えました。
また、テラスは、ポーチを兼ねた土間コンクリートと緩やかに連続しているため
玄関やランドリールームへ回遊できる構成。
建築は至ってシンプルですが、周辺環境を取り込むことにより奥行きが増し多彩な表情をもつ建築となりました。
これらの機能を使って暮らしの幅を広げ、自然の恩恵をたっぷりと受け止めていただきたいと思います。