blog
Writer/Maya 事務・CADオペレーター
「建築」や「モノづくり」の最前線に立ち、設計者の価値観に基づいた機能的及び情緒的な価値をお伝えできればと存じます。
「藤倉の薪ストーブのある平屋」ハードな作業もOK!多目的土間空間
藤倉の薪ストーブのある平屋、最後は、この家ならではの特別仕様に注目してみようと思います。
家づくりの過程を楽しみ、建築が竣工した後は、新しい生活が待ち受けています。
その日常生活は、各ご家庭により異なるため、やはり各々のご家庭にあった間取りや動線を検討することが望ましい。
そういったお考えの方が注文住宅を選択されるわけですが、
この家では、そういったU様ならではのライフスタイルを汲み取り、土間の多目的家事室を設けました。
U様のルーティン作業に必要な道具は、洗濯機、洗い場、勝手口、室内物干し(後付)など。
床が土間ですと、仕事着や靴洗い、野菜洗いなどランドリーに留まらずハードな使い方も許容してくれます。
ちょっとぐらい床が泥で汚れても、水で流せばOK!
勿論、ルーティンは移動距離を少なく。
水周りは集中させ、連携できるよう利便性を図っています。
家事で感じるストレスや負担を軽減し、気持ちをラフに。
ヒアリングでは、是非、現状のお悩みやご不満をはき出してみてください。
自分たちならではの間取りや動線がみえてくることでしょう。
以上、「藤倉の薪ストーブのある平屋」のご紹介でした。
わたくしも建築図面に携わる身として、一棟一棟思い入れが深く、世にお伝えしたい気持ちが非常に強いです。
図面作業や現場が優先となりますので時間はかかりますが、これまでご一読いただいてありがとうございます。
次回からは、「那加の平屋」をお伝えしたいと思います。
同じ平屋でも周辺環境、敷地、ライフスタイル、嗜好などありとあらゆることが異なるため、
「藤倉の薪ストーブのある平屋」とは性質の違うお住まいです。
お時間がございましたら、是非ご一読ください。
「藤倉の薪ストーブのある平屋」自然を引き寄せる半屋外空間
本日、少し時間が出来ましたので、藤倉のご紹介の続きを書いていきたいと思います。
藤倉の特徴4つ目は、半屋外空間として設けた「木製テラス」です。
高気密・高断熱、24時間換気、全館空調。
新築を検討するうえで、室内の温熱環境は心身の健康と深く結びつくため、これらのスペックをあげていくことは必然となりますが、
外部の環境が良好な場合、その環境を暮らしに取り入れたくはありませんか?
実際、そういった自然志向のOB様は大変多くいらっしゃり、
ヒアリングでも、「自然に身を委ねたい」「季節の流れを感じたい」「風景を愉しみたい」とのお声をよく耳にします。
自然の恵みに預かることは、我々も大賛成で、積極的に屋外空間の居場所を造作しております。
この藤倉の地は、ご覧の通り、自然の恵みを五感で受け止めることができる場所。
あぁ、視界が開けているって気持ちいい。
この環境を単に眺めることに留まらず・・・
LDKと隣接したテラスを設けることで、室内外が連続した印象に仕上げています。
すると、どうでしょう。
庭に張り出した大きなテラスと室内が一体となり、まるで外の自然を室内に呼び込んでいるかのようではないですか?
窓辺ではなくとも、どの場所にいても、外の自然に引き寄せられます。
そこに窓があると開けたくなるし、テラスがあれば自然と外に出たくなる。
自然愛は行動にあらわれますね。
因みに、こちらの4連テラス窓の開け方は斬新です。笑
専務曰く、自然の力は強く、心地良い室内であっても気持ちは外へと向かう。
自然には、そんな吸引力があると思っているそう。
本来、自然の脅威から身を守るための家ですが、反対に、自然の恵みに向かって設計することも大切だな、と。
わたくしも、ここに座っているとそう実感できます。
「藤倉の薪ストーブのある平屋」アンティーク仕上げ
続きまして・・・
藤倉の平屋は、計画当初から「アンティークっぽい内装」が念頭にあり、
この曖昧でおぼろげなご要望を設計者である専務がどう解釈したかをお伝えしたいと思います。
皆様は、アンティークと聞いてどんなイメージを抱かれますか?
わたくしはシンプルに「骨董品」「100年以上の歴史がある価値の高いもの」「DIYによるカフェスタイル」といったところでしょうか。
アンティークに限らず、脳内イメージは人によって異なるため、専務がどう調理するのか秘かにとても楽しみにしておりました。
さて、その手法ですが・・・
今回、年代物の古材は一切使用せず、新品の素材の力を借りて「ほどよい味わい」をメイキングしております。
まず、木材ですが、
この家ではエイジング加工を施した無垢フローリングや食品衛生法に適合した塗料で着色した無垢天井や建具など
コストバランスや機能を考慮したうえで構成しています。
次に、石材。
石材の特徴は、産地が同じであっても不均一で、ひとつとして同じ表情をもっているものはないこと。
これらのタイルは「ほどよいこなれ感」を醸し出してくれます。
また、ひとつひとつの面に材の違いはあってもそれらが集合すると均一性がでるよう気を配っています。
一見別物のタイルですが、両者は同じアンティーク感を目指しているのですね。
仕上げ材選択の判断基準は多岐に渡りますが、
専務曰く、全ての材料に均一性をもたせることで住空間の魅力が一層引き立つと考えているそう。
心地良さは、個人の感覚に左右されます。
精神的な拠り所として、あなたはどんな仕上げを選ばれますか・・・?
「藤倉の薪ストーブのある平屋」オープンキッチンの立ち位置
少し間が空いてしまいましたが・・・
お次は、これまで事例のなかったフレームキッチンを取り入れたオープンキッチンをご紹介したいと思います。
近年、家族間のコミュニケーションを重視するご家族や、生活を彩るデザイン性の高いキッチン及び調理器具が増え、
お客様も「キッチンをみせること」に抵抗がなくなってきているようで、弊社の事例でもオープンキッチンが増えてまいりました。
しかし、オープンキッチンにするにはそれなりの勇気が必要であり、それを提案する我々も裁量が問われると考えています。
藤倉の平屋でも、奥様のご要望でオープンキッチンを採用。
それも引き出しは無く、鉄のフレームのみで構成されたフレームキッチンです。
収納は、ディスプレイ感覚。
全てが見えるため置くものに配慮したいところ。
この課題はU様に委ねるとして、我々が配慮しているのは「キッチンぽく見せない工夫」です。
最近のレンジフードやコンロ、水洗は、各社デザインものが多く家具のようにみせることは容易いのですが、
問題は、冷蔵庫や吊戸棚など大型のもの。
これらは、最もキッチンぽさがあらわれるため、打合せ時にどこまでこだわるか話し合う必要があります。
この家の場合は、壁を利用して冷蔵庫を隠し、バックカウンターをLDK空間に合わせトータルプロデュース。
(向かって左の窪みが冷蔵庫置き場となります。)
我々は、キッチンがそのご家族にとってどんな立ち位置なのか考慮し、
オープンの場合は、常に目に晒されることを意識しながら造作しています。
近年、キッチンが「調理そのもの」から「ご家族との会話」「お子様の見守り」「食を中心とした生活」に変化しつつあるので、
オープンキッチンの注目度が高いのも納得ですね。
そのご家庭に合った使いやすいキッチンにするために、
キッチン本来の機能性能のほか立ち位置を考慮してバランスを図っていきたいところです。
「藤倉の薪ストーブのある平屋」上質におごることなくひっそり佇む
本日より、2月にOPENHOUSEをさせていただいた「藤倉の薪ストーブのある平屋」と
3月竣工の「那加の平屋」の特徴をお伝えしたいと思います。
まず「藤倉」から。
「藤倉」と申しますと、美濃加茂在住の方は聞きなれない地名かもしれませんが、
旧伊自良村のあたりで、田園と里山に恵まれた自然豊かで静かな集落になります。
そのため、こちらの建築は、周囲の山並みや一面の田園風景を汲み取り、
悠久の時間が流れる日常となるよう薪ストーブや和情緒、ご要望だったアンティークを取り入れた平屋のお住まいといたしました。
外観は、自然豊かなこの地では「厚化粧をせずひっそり佇むことが相応しい」との考えから本物素材の質感を多用し、
特に、ファザードは、三角屋根のシンプル形状にすることで「静」の表情を創造しています。
得意気に佇むのではなくひっそりと。
塗り壁の外壁は、そのような静のニュアンスづくりにも打ってつけ。
人工のサイディングボードでは均一すぎるのです・・・。
シミュレーションで試行錯誤した甲斐がありました。
南より。
実は、奥行きがかなり深い。
晴れの日。
テラスと軒天は自然との繋がりをもたせるため無垢材で。
南より。
たちを低くしているため直線的なフォルムが際立ちます。
OPENHOUSEの際、弊社は「直線的な形状が多い」とのご意見をいただきましたが、
それは、曲線を多用する西洋の建築に対し日本建築では水平垂直の直線美が定着しているからです。
これは、石材はアール加工がしやすく、木材は直線的な加工がしやすいため。
弊社は、伝統建築を取り入れた設計を得意としており、若い世代にも繋げたい想いから、このような直線的なフォルムが多くなります。
また、実は、ご予算に対する戦略でもあり、専務の心持ちが反映されています。
以上、外観のご紹介でした。
「藤倉の薪ストーブのある平屋」お引き渡し
先週末「藤倉の薪ストーブのある平屋」のお引き渡しをさせていただきました。
施主様に撮影許可をいただきましたのでその様子を少し。
お引き渡しは、主に、多種多様な窓や設備機器などの操作法をご説明した後、
本キーや取説、図面一式などを納めさせていただきます。
ご説明は、外部の照明操作や汚水枡も。
汚水枡は、生活排水が通る管の点検口で、アパートでは管理会社がお掃除をしてくれますが、
戸建てでは自分達でお掃除した方がお得な箇所。
専務が開けているのは、浴室用の桝ですが、一般的に詰まりやすいのは、油の生活排水が多いキッチンの配管。
「汚水」という名からして近寄りたくない桝ですが、
詰まるまで放置すると、小バエや悪臭、ヘドロや油の塊などが発生。
2度と開けたくない状態に陥ります。
皆様、高圧洗浄機や散水ホースで流したり、ブラシでこすったり、重曹をとかしたお湯をシンクに溜め一気に流したりと
実に様々な方法で桝掃除に取り組んでいらっしゃいます。
お掃除の頻度は生活環境や桝の種類によって変わりますが、数か月に1度は点検した方が安心です。
長年放置せず蓋を開けてみてくださいね。
以上、お引渡しの様子でした。
「藤倉の薪ストーブのある平屋」多数のご参加ありがとうございました
先週末開催いたしました「藤倉の薪ストーブのある平屋」のOPEN HOUSE。
お足元が悪い中、多数のお客様にご参加いただき心より感謝申し上げます。
又、今回は、美濃加茂から離れたエリアでの開催でしたので、
遠方から来てくださった方も多く深く御礼を申し上げます。
さて、OPENHOUSEですが、
今回も前回に引き続きお一組様ずつのご案内ということで、
比較的ゆっくりと設計者である専務と対話をしていただけたのではないでしょうか。
こちらのお子様達も「こう?こう?」と専務に質問。笑
薪は焚いていないのですが、シミュレーションを楽しんでいただきました。
さて、今回の建築は、
悠久の時間が流れる日常となるよう周囲の山並みや一面の田園風景を汲み取り、
薪ストーブやご夫妻の理想とする深みのあるアンティーク仕上げを取り入れた平屋といたしました。
自然を汲み取る手法といたしましては、風景を生かした窓辺や半屋外の空間づくりに重点を置き、
ワイドビューで構築された南面、室内と繋がる半屋外空間、長尺の木製テラスなどで構築。
ご来場様も自然と視線が外に導かれ、開口から広がる里の風景を眺めていらっしゃいました。
又、アンティーク色を濃くする照明やスイッチ、コンセントなど細部の部材も話題に。
自由設計では当然ですが、弊社の建築は「全てがお気に入り」で満たされた空間となることをご周知いただきました。
今回は、コロナ禍の影響で常時窓換気を行っていたため、断熱・気密・蓄熱に対し体感不足でありました。
又、これは我々目線ですが、人数制限を設けたため視野の広い市場調査が出来なかったことが悔やまれます。
しかし、初対面のお客様やご契約前のお客様も、実際の建築を目の当たりにすることで、
弊社の品質を感じ取っていただけたのではないでしょうか。
もし、今回のOPENHOUSEが印象に残っておりましたら遠慮なくお声掛けください。
それでは、編集が終わり次第、上記の設計の意図を中心にこの家ならではのこだわりをご紹介したいと思います。
ご来場いただきましたお客様、今回も貴重なお時間を頂戴いたしまして誠にありがとうございました。
「藤倉の薪ストーブのある平屋」雨天のOPENHOUSE
雨天時のOPENHOUSEは気落ちされますか?
実は、雨天時は、
水はけ、雨天時の採光、雨の音、玄関ポーチやテラスの濡れ方などもご見学できるため
住環境の理解が深まる良い機会です。
本日も雨。
細い雨がふり続く藤倉は、周辺の山々に雲が落ち集落ごとしっとり。
静けさの中に浸りに来てください。
「藤倉の薪ストーブのある平屋」夜の藤倉
夜の藤倉を少し。
夜間のテラスは静の時間が流れるとっておきの場所。
煌めく夜空に澄んだ空気。
あとは暖かくなるのを待つだけ・・・
まだまだ工事中です。
OPENHOUSE直前。
土曜日までに竣工、清掃、セッティングして
皆様のお越しをお待ちしております。
「藤倉の薪ストーブの平屋」コテ仕上げと内装
藤倉の現場です。
塗り壁材が乾ききり、しっとり落ち着いた印象となりました。
コテ好きな人にはたまらないこのムラと揺らぎ感。
U様ご夫妻もその一員ですが、仕上がりを気にいっていただけたようでホッとしております。
なぜそこで安堵したかと申しますと、
シミュレーションはしたものの、このムラと揺らぎをつくる作業は毎回一発勝負。
設計者である専務自身が塗るわけではないので、
特に新しい試みをする時は、お客様も我々も、仕上がりと対面するまで緊張の数日間となるからです。
今回は、いつもよりやや柔らかいお肌をオーダーいただきましたが、
そこは、専務が長年信頼を抱く職人さんが絶妙に仕上げてくれました。
ありがとうございました。
続きまして、内部です。
キッチンが搬入され、空間の雰囲気が少しずつあらわに。
今回奥様がご選択されたフレームキッチンは、
無垢材といい天板デザインといいオーダーっぽいつくりのため、
このキッチンが空間を性格づけるのに一役買うことになります。
フレームキッチンは基本的にみせる収納。
調理器具や食器など、こだわりのものが並べられるのでしょうか。
今度聞いてみましょう。
そして、目にとまるのは、初めて見たとき度肝を抜かれたこちらの水栓。
当時は、まさか水栓が、ここまで主張できるとは思いもしませんでしたから・・・。
スワンというよりダイナソー。
気になるのはその使用感。
こちらも竣工後に聞いてみましょう。
現在は、ウッドテラスの造作にむけて調整中で、
年内は、専務自ら行うちょこっと工事が続きます。
竣工は、来年1月末の予定。
竣工間近ということで慌ただしいお年始となりそうな予感・・・。
現場を活気づけていきましょう!
来年もよろしくお願いいたします。