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Writer/Maya 事務・CADオペレーター
「建築」や「モノづくり」の最前線に立ち、設計者の価値観に基づいた機能的及び情緒的な価値をお伝えできればと存じます。
「室原の薪ストーブのある平屋」課題に特化した造作デザイン
「室原の薪ストーブのある平屋」最後の特徴は、やはり造作に触れさせてください。
この家では、雑多になりがちなキッチン周辺をスッキリとみせる大容量造作収納が特徴の一つで、
玄関に間仕切りがないこの家では、室内の雑多をいかに隠すかが計画当初からの課題でした。
そのため、この家では、造作バックカウンターに4枚引違い戸を設け、
隠すことに特化したキッチンクローゼット仕様としましたので、今後の参考にご覧ください。
炊事中は扉を開けて。
炊事が終われば扉を閉めて。
手元を隠し、モノを隠し、
雑多になりがちなキッチン周辺のインテリア性を高めています。
また、引違い戸は2方向からのアクセスが可能なので、これだけの大容量収納となっております。
更に、奥にはパントリーという嬉しい仕掛け。
間宮建築の造作デザインの源は、ご不満の解決策を形にして表すこと。
毎度申し上げている気がしますが、課題を解決しようとすると結局シンプルに尽きます。
造作家具は、日常生活の道具であるため、各ご家庭のご要望を理解し、どんな機能が必要なのか。
各々の課題に特化したデザイン設計を心がけています。
以上、「室原の薪ストーブのある平屋」の特徴でした。
いかにものんびりした暮らしが営めそうな山荘ライクの平屋ですが、この平屋は養生が目的の別荘ではありません。
家事育児に仕事・・・我々と同じ慌ただしい日常がここで繰り広げられます。
走り続ける人生の中、日常の風景の恩恵を受け、自然体でいられる土間で心身を緩ませる時間をもつ。
健康で、強くたくましい精神を養えそうだと思うのはわたくしだけでしょうか。
そもそもお施主様のご両親は、すでにそのようなお暮らし。
お施主様ご家族もこの平屋や自然と共に走って緩めて・・・
自分たちの暮らしを切り開いていただければ幸いです。
「室原の薪ストーブのある平屋」日常に息づく伝統左官
「室原の薪ストーブのある平屋」4つ目の特徴は、
土間の一部としても採用した「洗い出し仕上げ」に着目したいと思います。
「洗い出し仕上げ」とは、町家や昭和時代の建築によく見られる伝統左官で、
モルタルに骨材を敷き詰め、硬化する前に水洗いし、骨材の頭を表面にあらわす工法のことです。
弊社では、伝統性、意匠性、耐久性、お手入れのしやすさなどの観点から、
全棟、玄関ポーチにこの工法をご提案しております。
下の画像は、骨材である豆砂利の敷き詰めシーン。
混入する骨材の種類は多種多様ですが、弊社では、豆のように粒が丸く小さい砂利を使用しています。
約10年、この砂利一筋。
施工の際は、下地モルタルの調整、洗うタイミングに気を遣うそう。
因みに、乾燥収縮によるひび割れに強く、優れた耐久・対候性を持ち、お掃除も楽な仕様だと思います。
また、この家では、土間の一部もポーチと同じ洗い出し仕上げとし、外部との距離を非常に近くしています。
牧歌的で大らかな環境のため、少々大胆なご提案が可能となりました。
近代化、西洋化で忘れてしまった伝統左官の良い部分を日常に。
簡素で落ち着きある美しさ、より自然体で日本らしさ溢れる伝統左官。
主張することは全くございませんが、その役割はきちんと果たす健気な存在です。
「室原の薪ストーブのある平屋」風景との調和
ここに暮らすと毎日が森林浴。
射し込む光が、負の感情を流してくれるようなそんな感覚に陥ります。
我々が暮らす加茂野でも、こんなスピリチュアルな風景に出会えます。
田園風景に沈む太陽が、負の感情を流してくれます。
可児の山間と加茂野の里。
共通するのは「日常の風景が心の調子を整える」こと。
我々が住む岐阜の地は、日常の風景が心の栄養となるような、素晴らしい自然に恵まれております。
非日常を纏うより、日常の風景と共に佇む素直な建築を。
身構えず、着飾らず。
間宮建築のこの方向性が揺れ動くことはありません。
専務曰く、
「素直に自然と調和するよう、これからも日常の風景を見つめていきたい。」
とのことです。
「室原の薪ストーブのある平屋」自然と親しむ山荘ライクの平屋
本日より、2021.4月竣工「室原の薪ストーブのある平屋」の特徴をお伝えしたいと思います。
これまで、この地の自然豊かな周辺環境を中心にお伝えしてきましたが、
この地での平屋は、その自然と親しむよう有機質に満たされた建築としました。
これまでお伝えしてきたように、この地には、
自然の恵みをお借りして、知恵や工夫を凝らした山あいならではの日常があります。
その日常をこよなく愛するお施主様のお気持ちを汲み取ると、
おのずと自然とともに在る建築に仕上がりました。
自然と親しむには、テラスが必須。
日の沈む前、山の緑を眺めながらコーヒーを飲み、談笑することが幸せの時間となることでしょう。
このテラスに身をおくと、このご時世、思いきり深呼吸ができ、近影で四季を愉しめるこの環境は贅沢だなと。
雄大な森にひっそり佇む山荘に通じるものを感じます。
専務は、この家のおかげで、見栄を張った厚化粧の建築ではなく、
肩の力を抜いた自然とともに在る建築を考えることができたそう。
またしても、間宮建築の裾野を広げてくださったお施主様に感謝です。
「室原の薪ストーブのある平屋」竣工おめでとうございます
昨年秋口より工事を進めてまいりました「室原の薪ストーブのある平屋」。
およそ6ヶ月に及ぶ工期を経て無事竣工いたしました。
自然素材で満たされた穏やかな土間空間。
伝統建築を間宮建築風にアレンジし随所に設えています。
こちらに住まうご予定のN様ご一家には、N様のご両親にも大変お世話になりました。
ご一家揃って工事をそっと見守っていただき大変感謝しております。
土間のある山間の暮らし。
必見です。
順次、特徴をお伝えいたしますね。
「室原の薪ストーブのある平屋」細かい木工事
の現場です。
「いらっしゃ~い。」
と歓迎をうけました・・・?
さて、今回は、木工事の最中にお邪魔してきました。
工事は終盤に入り、巾木や土間コンクリートの下地貼りを施工しているところです。
こちらは、土間コンクリートの下地材を貼っているところ。
馴染みの大工さんから「今は寸法測っとるだけやん。」と突っこみが入りました。
撮りどころに遭遇するのは、なかなか難しいのです。苦笑
しかし、細かい作業や納め方を見るのはとても勉強になります。
半端な端材がでないように、材料のとり方を考えながら作業を進めます。
マニュアル施工ではないため、どの現場も信頼が厚い大工さんに任せています。
そうそう。
今回は、ご主人のバイクが納車されていました。
わたくし、バイクのことは全くわかりませんが、ツーリングは面白そうなので又お話を聞かせてくださいね。
「室原の薪ストーブの平屋」牧歌的な情景
お邪魔するたび、新しい「何か」が造作されている室原の現場です。
今回新たに登場したのは・・・
山羊さんのお遊具!
小学校の樹木を切った後の株を譲り受けたそうです。
実は、山羊さんの小屋もDIY。
夜になると自ら帰宅されるそうです。
これだけの重量、面積のものを置いても窮屈さを感じないこの土地の大らかさを改めて思い知りました。
大らかで、まさに牧歌的。
どこからともなく牧人の笛の音が聞こえてきそうです。
そして、発見してしまいました。
丘の上のブランコとそこへ続く道。
図々しくも乗らせていただき・・・
バリスイングならぬ室原スイングを楽しみました。
遠くに御嶽山を眺められるほど眺望がよく、一瞬ウブドに来たかと錯覚するほどの開放感。
実は、このブランコもご主人のお父様のDIY.。
様々な造作や体験を通じて、この地での自然との付き合い方を学ぶことができました。
このように、ここへ来るたび、思いきり羽を伸ばすわたくし達。
こんな山あいの地のもとで厚化粧してもねぇ・・・?と毎回思うのであります。
そこで・・・
専務が目指すのは、山あいにひっそりと佇むようなシンプル設計。
この地の特性を汲み取りつつ、仕事や家事をこなす現実をしっかりと見据え、
暮らしに緩急をつけられるような居場所をつくりたいと考えているそう。
現在は、木工事の真っ最中。
あと数日で、しばらく現場がストップしますが、来年もよろしくお願いいたします。
「室原の薪ストーブの平屋」上棟おめでとうございます
先日、可児市室原で今年最後の上棟をおこないました。
わたくしは、図面業務に集中していましたので見学ができなかったのですが、
専務が画像を送ってくれました。
画像から、I型平屋の外観であることがわかりますが、
これは、周囲の景観を生かすには、視線を低い軒先に導くことができる平屋が最も有効と判断した結果です。
山に包まれているこの感じ、いいですね。
垂木のあらわし軒天の下には、ロングスパンのウッドテラスを造作する予定です。
軒下空間は、軒天とテラスの仕様で情緒がガラリと変わるので、
室内と同様に、全体を想像しながらマッチングやメンテナンス性を考える必要があります。
そして、チラッと見えている窓辺に沿ったL型土間空間。
個人的には、仕上がりが最も楽しみな部分です。
又、時間がある時、実際に見学しに行きたいと思います。
それでは、Y様、上棟おめでとうございました。
協力会社の皆様、安心安全な工事をありがとうございました。
「室原の薪ストーブの平屋」建物配置の現場打ち合わせ
愉快な仲間の正体です。
あの可愛い尻尾の持ち主は、この山あいの風景に馴染む「山羊さん」でした。
それにしても・・・
この角。
水道ホース付き!笑
頭突き対策の水道ホースも茶目っ気たっぷりで可愛く、随分長いこと戯れてしまいました。
仕事をしに来たのに申し訳ございません・・・苦笑
さて、仕事です。
この日は、建物配置の現場打ち合わせをおこないました。
現場では、主に、敷地に対する建物の位置関係を専務と確認します。
注意点は、整地されていない場合、靴が汚れるので汚れてもいいスニーカーで来ること。
因みに、車内も土で汚れるので新聞紙や替えの靴もあるといいです。
ここの敷地は、配置の際、隣地境界を気にする必要がないためいつもより早く終了。
確認終了後は、再び山羊さんと戯れタイムです。
山羊は何でも食べると言いますが、
殻付きの栗をバリバリ食べていたのには驚きました。
因みに、この栗は、ご夫妻のご両親が手前の山から採ってこられたもので、
わたくし達もお裾分けしていただき、娘と湯がいて美味しくいただきました。
N様、秋の恵みをありがとうございました。
他にも、こちらのご両親は、薪ストーブユーザーだったり、小屋をDIYで建てたりと
自然と付き合う知恵を習得されている大先輩。
ここでは、
「物質的な豊かさやプライバシーを求めるのではなく、生活と自然との共存がふさわしい。」
専務は、そのコンセプトの一手として薪ストーブを取り入れた平屋を計画しています。
薪、すでにありますしね。笑
現在は、基礎工事が完了し養生中。
来月中旬上棟予定です。
「室原の薪ストーブの平屋」自然環境と愉快な仲間
新しい現場です。
こちらの現場の第一印象は、
「里山の斜面の上方から射す木漏れ日は、なんて美しいのだろう。」
南は徳川軍の追撃で廃城となった城跡が残る里山がせまり、
北は低層の山なみが背景となっている。
それだけでもワクワクするのに・・・
何かがいらっしゃる。笑
犬にしては尻尾が短いような・・・?
心ときめく現場です。