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「上蜂屋の家」枠廻りで空間の完成度が決まる。
上蜂屋の家の見所第5投目は、内部開口部について挙げてみようかと思います。
以前から申し上げている通り、弊社は、無垢の木の家らしく既製の内部建具はご要望がない限り使用しません。
その為、建具を取り付ける枠はおのずと大工の仕事になります。
常日頃から専務が、「納まりが~」「取り合いが~」とよく言っていますが、
この用語、簡単に言うと「素材がぶつかるところ」であります。
こちらは1階PCコーナーになりますが、左右・上部に開口が見えますね。
この開口部は、壁と窓枠がぶつかるところであり、この処理の仕方によって大分風合いが変わるので、
設計の上でも現場でも神経を使うそうです。
この枠、一見単なる建具の取付部分にみえますが、専務は、枠廻りを納めることに多くのエネルギーを注いでおります。
こちらは、上部開口部。
手法や工法が独特。
馴染みの大工さんにしか応援を頼めない理由がここにあります。
納まりや取り合いの確かな判断も、大工仕事の質を決める要因の一つです。
これで最後となりましたが、こうして竣工写真で振り返ると、設計で、現場で頭を抱える専務や
何度も事務所や現場に足を運んでくださったご家族を思い出しますね。
終わってみると大変なことも良い思い出で、ここに住まうご家族にもそんな風に感じて頂けたら幸いです。
又メンテなどでお会いできる日を楽しみにしております。
楽しい現場をありがとうございました。
「上蜂屋の家」現代の建築に合うように配慮した和室
今週より2つの現場が動き始めましたが、本日は、上蜂屋の家の見所の続きをアップしたいと思います。
第4投目は、和室です。
和室といっても、略式の畳コーナーから伝統的な座敷までその形式は様々で、
ここ数年は、利便性の高い畳コーナーを多く手掛けていましたが、今回は、どちらかというと後者よりの和室です。
まず、リビングから和室を見る。
建具を引き込むと空間に繋がりが生まれます。
伝統文化であるしっかりした和室を設けようと思うと、当然、専門的な知識や腕が必要になってきますが、
和を得意とする社長の下で修業を積んだ専務に、その腕は確かに受け継がれています。
その仕上がりは、様々なルールを見据えながらも現代の建築に合うように配慮した和室となりました。
以下、事例です。
こう並べてみると、畳や木材の材質の他、建具のプロポーションや障子から漏れる光、すべてが趣きや遊び心に繋がりますね。
こうして全体を考えて和室の雰囲気を出していきます。
「下之保のリノベーション」再構築のための第一歩
昨年、お電話にて依頼を受けた関市下之保のリノベーション計画。
ここ最近は、新築を多く手掛けていましたので久々の大規模な改築物件となりますが、今週から遂に現場が動き出しました。
因みに、リフォームとリノベーションの違いですが、
リフォームは、老朽化した建物を新築の状態に戻す改修・耐震改修・増築などを指すのに対し、
リノベーションは、現代的なスタイルに合わせて間取りや内外装などを変更したり、性能を高めて住環境を向上させることを意味します。
さて、現場はこちら。
築50年。
浅い築年数では決して出ないこの経年変化や重厚感がレトロな空気感をつくっていますね。
画像は、和室天井を取り壊して現しにした状態。
このフロアが今回の工事で一番印象が変わる部分となります。
現場は、床の修繕からスタートを切りました。
今後も随時レポートしていきたいと思います。
最後に、専務曰く、既存の空間や材料を継承しながら新しい世界を再構築できるからリノベーションは楽しいそう。
勿論、構造や法規など複雑な部分もありますが、築50年の趣きがどう変わっていくのか。
図面に携わっていないため、詳細を知らないワタクシも今から楽しみです。
「上蜂屋の家」個々の機能や質ではなく、全体の調和による空間づくり。
弊社のオープンハウスにて、お客様が特に興味をもたれること。
それは、「外観のデザイン」の他に「内装の仕上げや空間コーディネート」が挙げられます。
弊社は、素材の魅力を引き出す上質な空間創造を心がけていますが、上蜂屋の家でも、木の素材感や本物の素材がもつ質感を
大切にしました。
照明を取り付ける前に撮影をしたのでガランとした印象ですが、壁や天井の付属物を目立たなくしているので、
自然素材の温もりを感じるだけでなく、垢抜けた雰囲気に仕上がっています。
空間の細部まで整えると仕上がりにグッと差がでます。
お馴染みの宙に浮くテレビボードや木製キャビネットも自然に馴染んでいますね。
質の高い空間は、高価な建材さえ使えば実現できるものではありません。
私達は、対処の仕方で空間の質を高めることが重要だと考えています。
個々の機能や質ではなく、「全体の調和」によって上質な空間づくりを目指していきます。
「上蜂屋の家」吹き抜け。光と風と木の香りが人にもたらす幸福感。
只今、専務は、新規物件の設計中。
ワタクシは、パース制作の為、そのプランニングの仕上がり待ち。
ということで、この合間に記事の更新をしたいと思います。
既にお引越しをされ、上蜂屋の家で新生活を送られているN様ご一家。
昨日、外観の様子をお伝えいたしましたが、本日から内観を要所要所アップしたいと思います。
まずは、ご要望の一つであった吹き抜けから着目してみましょう。
採光・通風の確保や解放感、1階の気配を感じることのできる吹き抜け空間は、弊社でもご要望として度々挙がりますが、
勿論、仕様や雰囲気は十人十色。
上蜂屋の家では、すのこ状のキャットウォークから放たれる、光のグラデーションが美しい吹き抜け空間を計画しました。
白壁が、光の反射板となって柔らかな陰影が生まれましたね。
又、垂直方向の抜けによって面積以上の広がりを感じることができます。
光と風と木の香りが人にもたらす幸福感って目覚ましい。
この吹き抜け空間で再確認致しました。
「上蜂屋の家」竣工おめでとうございます!
なかなか工事現場から状況をお届け出来なかった上蜂屋の家ですが、つい先日、竣工&お引き渡しをさせていただきました。
お引き渡しまで工事もぎりぎりというか、お待ちいただいたことも度々ありご迷惑をおかけして申し訳なかったです。
さて、その外観ですが、下米田の家と同じくバリエーション豊かな無垢材を活かし、自然素材の美しさを追求しています。
又、フルフラットの瓦葺きや多様な格子使い、外壁にガルバリウム鋼板を使用するなど、現代の和テイストで彩りました。
外構は未着工ながら、ガルバの工業性が自然素材と絡み合って現代和風の貫禄が漂っています。
南面は、2階の開口部いっぱいに無垢板のバルコニーがドシッと構えています。
このバルコニーは、簀の子状の板の間から通風を確保できますし、床からも光が射し込んでとても気持ちいいですね。
そして、着工当初から気になっていた2階からの眺望ですが、
澄んだ空、遠方に連なる里山、一望できる市街地・・・と申し分ない光景ですね。
写真じゃ視野が狭くてよく伝わりませんけど(苦笑)
着工より5ヶ月。
当初より質疑応答が頻繁に繰り返され、こちらもお施主様からの案に刺激を受けました。
この建物を建築する機会をくださったお施主様に感謝致します。
そして、家づくりに関わってくれた工事関係者の皆さん、丁寧に施工をしていただき心より感謝しております。
新学期に伴い、施工中の更新が控え目でしたので、もう少しこの家の良さをお伝えできたら・・・と思います。
それでは、竣工おめでとうございました!
「跡部の薪ストーブの家」地鎮祭
先日、スケジュールの調整により、急遽跡部の平屋の地鎮祭が執り行われました。
ここのご家族G様とのお付き合いは、OPENHOUSEにお越しいただいたのが始まりですが、
以前、同じAPの住人だったということで、顔を合わせた時はお互い驚きました。
今でも不思議なご縁を感じますが、こうやって家づくりに携われる運びとなり本当に感謝の一言です。
さて、地鎮祭の様子ですが、いつも通り和やかに進行していきました。
2人の息子さん達も、ご両親に続いてお手を清めたり玉串を奉納したり。
なんとも健気な様子に心を奪われました。
こちらは、四方にお米を撒いている様子。
真剣な様子が伝わってきますね。
今後は、プランを最終調整していきます。
着工間近。
選択や決断を余儀なくされますが、その迷いも含めて家づくりを楽しみましょう!
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
最後に、跡部の平屋は、読んで字の如く平屋構造を活かした木の家を計画しておりますが、後日、建築物の詳細などアップしていきたいと思います。
「下米田の家」故郷の風景と繋がる外構計画
プランニング時、故郷の自然を慈しむお施主様の想いを構想に取り入れていましたが、
自然をより感じられる家にするために、植栽を点在させた外構計画としました。
植樹することで、周囲に閉じた印象を与え過ぎない効果も。
通りから樹木が見えることで故郷との距離がぐっと近くなる気がしますね。
もう一つ、外構計画の目玉として、、、こちらの大和張りの板塀が挙げられます。
行き交う人々の目を引く伸びやかな塀が圧巻!
アップで。
板の枚数250枚。
一枚一枚手作業で造作された大和張りの板塀は、和を得意とする親方の案。
従来の日本伝統の木材の張り方で、採光、通風、耐久性に優れています。
割とシンプルだった佇まいに変化が起こりました。
外壁、テラス、建具、ルーバー、板塀などなどバラエティ豊かな無垢板使いが魅力的な家となりましたね。
伝統工法が、故郷の町並みにピッタリ合っている気がします。
最後に、只今、別棟のガレージを造作中です。
5つ目の見所となりますので、完成次第アップしたいと思います。
「下米田の家」鑑賞と実用のバスコート
見所3つ目は、弊社久々のバスコート案。
日常生活を愉しむ場として浴室から眺められる坪庭を計画させていただきました。
植栽も建物全体の雰囲気に合わせ、モミジなどを植樹。
デッキに腰を下ろし、夕涼みでもしながら鑑賞を愉しめます。
外部へ繋がる建具もお揃いの杉板で。
既製品じゃないところが細やかな拘りだったりします。
雰囲気を損ねず実用性も兼ねることができたと思います。
御要望としては稀なのですが、こんなプライベート空間があると暮らしが一層潤うんじゃないでしょうか。
心の癒され方は人それぞれですが、個人的には、こんな空間が自邸にあったら最高。
心にゆとりが生まれそうですね。
「下米田の家」風と光、視線が抜けるLDKの位置関係
引き続き、下米田の家の見所です。
下米田の家のお施主様が、プランニング時に一番気にされたこと。
それは、室内の風通しの良さと明るさでした。
OPENHOUSEへお越しいただいた方は、きっと「風が抜ける」心地よさを感じていただいたと思いますが、
風と光を通すため、窓の配置や間取りに気を配っています。
リビングとダイニングの位置関係を少しずらすことで、対角線上に光と風が抜け空気の淀みを解消してくれます。
真夏のエアコンの使用頻度も減り、健康志向のご家族や環境問題の視点からみても嬉しい配慮なんじゃないでしょうか。
又、領域がずれることで長~い視線軸が生まれ空間を広く感じさせてくれます。
風や光だけでなく、視線も長くなり奥行きを感じる空間構成となっています。